ikedayo! blog

元フリーライターの池 紀彦が気になる何かのお話を書く場所

認めたくないものだな、自分自身の…若(くないのに)さ、ゆえの過ちというものを

 

 

アイティメディアよ!私は帰ってきた!

ということで、「@IT」という媒体を読んではいても、自分がここで何かするようなタイプの媒体ではないはずなのに、なぜ8年ぶりの沈黙を破ってまで俺がITMediaにやってきたのか…原稿依頼じゃ勿論ないですよ!(勿論とか書いてて切なくなった)

答えはコレだ!

♪てててて~

定員80名の枠があっさり埋まる大人気勉強会。エンジニアとガンダムの関連性と可能性を探る深い勉強会になるということで、これは行かないわけにはいくまいと参加を表明。更に某@ITの中の人の陰謀(というより調子に乗って自爆系の話)でLTとやらをやる流れに(笑)

LT?なにそれ?おいしいの?

会場にやってくるとこんな感じ。前列の重鎮の方々は大分手慣れた様子。緊張のままに勉強会開始!

 

んで、開始早々、当初の想定との違いについて登壇者から語られる衝撃の事実!

1)20代向けにやる予定だったのにフタを開けてみたらおっさんばっかり!

2)ガンダムとエンジニアとかどう考えても無理ゲだから、そういうのはやめて普通にガンダムを知らない人に教える会にした!

ぉぃぉぃ…LTネタ、めっちゃそこを軸に考えてきたのに…

ちなみにLT=Lightning Talkの略で、5分の持ち時間で要点をまとめてプレゼンすることらしいです。短時間で多くの人がプレゼンできるから、今回みたいに登壇者の方以外の人が色々お話するのに適した手法。

 

ということで、第1部、写真は暗いからわかりにくいけど、ワイン片手にガンダムトーク開始。

まぁ簡単に言うと「上司がガンダムネタを例えに仕事の話とかすると、部下が分からなくて困る。困られると寂しいので見てほしいな!てか熱く語り合いたいな!」ってことで、仕事でこういうことがあった時に、ガンダムだとこうだよね?的なお話とかが中心だったので、結構エンジニアの現場な話になってるなぁと感心することしきり。

特にランバラルは良い上司か否かの討論「確かに、劇中で部下にいい暮らしをさせてやれる、みたいな台詞があることから、そういう考え方を持った良い上司なのは確かなんだけど、その反面、部下のことを思うなら、部下たちが前線でちゃんと戦えるように補給をきちんとできるように根回しするのが本当の思いやり。部下を巻き込んで特攻とか自己満足でしかない」という意見は自分の中にない意見だったので感嘆したり(端折ってるので、事実とズレてる場合があります)。

他にも、「実際に使われそうな名台詞」を紹介して、これを覚えておけばガノタな上司がいきなり使ってきても対応できるぞ!みたいな初心者向けの実用講座もあったりして、なんだかんだで1時間があっという間に経過。

第1部を全部文字起こしすると、大変なことになるので、かなり端折ったけど、Ustとニコ動に上がるらしいので詳しくはそちらを御覧下さい(笑)

そして、休憩5分を挟んで第2部開始…とは言えLT形式は中止になり、何か言いたい人がどんどん言ってく形式になったので大分気が楽になりました。

でも、1発目がこれですからなぁ(笑)

20代女子がザクの魅力について語りだしてしまったよ!もう最高!これ聞いてたらもう俺のLTとかどうでもいいわーな気分になったりした!

とは言え、ザクの何がいいかについての熱弁を聞いてると、自分の中にあるもやもやした物が燃え出して、やっぱり自分でも何か言いたい!気分に。

ってことで写真はないけどLTしてきた!ただし、途中で何言えばいいのか分からなくなってグデグデ、さらに締めの辺りでグデグデという最悪の展開に…

ま、その後も他の方のLTがモリモリ繋がって、みんなのガンダムトークをあれこれ聞いて解散と相成りました。雑なレポートだな…ま、仕事じゃないからいいか(笑)

ということで、まぁ、ガンダムを如何に現場での潤滑油にするかというところは難しいけど、若者が初代ガンダムを見て、我々おっさんも毛嫌いせずにまどマギとか若者向けの作品をみることで、お互いにもっと近づけるのではないかというそういうお話でした。レポートにも何もなってないけどまぁ一言で締めるなら、「ガンダムすげー!」ってことで。

 

以下にEvernoteでメモしておいた自分のLTネタ(採用、ボツネタ含む)を公開して締めます。一応、文章として読めるように調整はしています。

--

LTで実際に話したネタ

 

アムロから学ぶ一人前のエンジニアのあるべき姿

 

アムロは劇中第1話において、本人の希望とは無関係にガンダムへの搭乗を強いられることになる。だが、彼の本質は劇中でも語られるように、メカいじりが好きなオタクである。自作の遊具ロボット(ハロ)も開発できるほどの腕もあるエンジニアだ。彼は自分が搭乗を強要されるだけでなく、自らガンダムの修理なども行なう側面もある。少々乱暴ながら、これをエンジニア的な観点から、現場=戦場、通常勤務=修理に当てはめるとしっくりくるのではないかと考えてみた。

 

 

実際に劇中の各場面を思い出してみると、初期の頃、寝食を忘れてガンダム整備に没頭している時のアムロは気持ち楽しそうに…いや、まぁ整備中の映像はぶっちゃけ淡々と作業をしているように見えるがそこはご愛嬌(笑)。ただ、もう1度、劇場版1をよく見てほしい。整備に対する苦情はあまり言わないが、戦場に出そうになるとふて寝してブライトさん(上司)にしばかれたり、新米兵がよくかかる病気(鬱?)になったりと、戦場への拒否感が半端ない。実際の劇中でも戦場では常に不安と警戒の目をしているのが分かる。だが無理矢理ながらも、こうして戦場(現場)に出続けるうちに、彼は戦場でのルールや流儀など色々なことを学び、成長していく。だからこそ序盤はブライト(上司)に噛み付いていたが、後半になると、彼(を含む上の人間たち)に気を使うまでに大人として成長していく。

 

これはエンジニアが自ら現場に出ることの大変さと、それによる成長の大きさを示しているのではないか。いつもの職場でなら、気の合う仲間とノンビリ仕事をこなしていればそれで済むが、現場(顧客対応)になればそんな甘いことも言えなくなる。実際にこちらが開発した製品で起きてしまった不具合を客先で修正する場合などは、客からの厳しい視線に耐えながらの作業になるし、修正がうまくいかず、成果が出せなければ罵倒に晒されるわけである。その反面、エンジニアは現場でこうした様々な経験を積むことで、製品作りの際に、より顧客のことを考えた製品が開発できるようになるのであると考える。

 

 

これは、自分がQA業務を行なっている時、開発の人間が実際に現場で運用することを想定しないような作りの製品を持ってくることが多かったので、ふと頭に思い浮かんだことである。手がけた物が実際にどういった運用をされるかを体感した方がよりよいものが作れる。この体感を失っているのが、今の若いエンジニアなのではないか。特に大手企業。

ソフトウェアにしてもハードウェアにしても同様だが、若いエンジニアたちもガンダムに乗って戦場と言う名の現場に出向いて、より現実的な運用を学ぶべきではないだろうか。

(追記:やっぱりオチが弱いんだよねぇ。あとちょっとエンジニアのサンプル数が少ないので、偏った意見になってる感があるのが残念。あとこれは余談だけど、アムロは結局、戦場で生きる道、つまり現場を選ぶことになるわけだけど、1年戦争後、幽閉なんてさせずに、現場復帰させてMS開発とかさせたら、Zの時代にはもっと良い物ができたんじゃないかなぁとか考えるのである。)

 

--

以下、ボツネタ

[連邦軍のMS事情をエンジニア目線で]

なぜガンダムはそのままフラッグシップとして少量生産に向かわなかった?

ガンダムを少量生産するだけの余裕すらなかったのでは?

結局コストダウンしたジムを大量導入したことから、むしろコスト的な事情でガンダムのフラッグシップ化はかなわなかったという考えが妥当か。

だからこそ、続編のZガンダムではガンダムmk2という後継モデルがフラッグシップとして少量生産されている。

反応のよさから、扱えるパイロットが少なかったため? これは間違い。むしろ今でこそニュータイプ云々という話がでてきてしまうが、テレビシリーズ当初、ガンダムは初心者でも慣れればそれなりに扱える MSとして劇中でも語られている。また、セイラさんが勝手に出撃した際も、ダメージは食らうがそれなりに動かせていた。

また、試作機を使い続けることの難しさを考える。

なぜ試作機のはずのガンダムに部品の補給が頻繁に行なわれていた?>コアシステムでは多くの部品が共通だったため流用できたという考えがある。これはガンキャノン用の部品を流用していた可能性が考えられる。

となると、フラッグシップ的な扱いの製品はむしろガンキャノン?あれだけ多くのジムが量産されながらもホワイトベースには 1台もジムは配備されず、最終的に3台ものガンキャノンがホワイトベースに搭載されていたのは、これまでの戦果から、最終戦での更なる活躍を期待されての投入と考えるほうが妥当。

逆にジオン軍は試作機を作りすぎたのでは?

1台のみのカスタムモデルが多すぎる印象。マ・クベの鉱山資源にあぐらをかきすぎた?(これでジオンはあと10年は戦える発言から。個人的にはあの発言を強がりと捉えるのではなく、あえてあれが事実だったとした場合、無駄な予算を投入し、試作機を多く作りすぎた結果、ゲルググやドム、ズゴック辺りが実戦配備されていく反面、無駄な試作機にかけたコストのせいで、資源がなくなった、という考え。)

--

[ガンダムという作品をエンジニア(制作者)目線で見てみると…]

(追記):

今回の勉強会の1部の締めで「ガンダムがなぜおもしろいのか?それは後から色々な設定の追加などが頻繁に行われ、それを冨野監督が深い心で許容したからこそ、大人の視聴にも耐え得るものに成長した」というお話があって、これはこれで納得の面もあるが、反面、若干異論を唱えたかったのもあるので後述してみる。

 

・戦争物ならリアリティを追及する方向に向かいがちだが、冨野監督はストーリーのリアルさを逆手にとり デザインに従来のスーパーロボットの要素も組み入れた。これがガンダムが今なおユーザーに支持される理由の1つではないかと推測。

(この辺りはAV Watchの買っとけDVDで詳しく書いてますw)

例えばザクは実に兵器っぽいデザインとも言えるが、反面、やられメカ的な要素も盛り込んでいる印象を受ける(目が1つのメカは基本悪い奴)。その他、ジオンの戦艦ムサイの艦橋がまがまがしい悪魔のようなデザインだったり、ジオン軍側のMS/MAデザインやカラーリングもやられキャラっぽさを秘めていると感じる。

シャア専用ザクにしても、ボスクラスであることを明示するため、「こんな高速に移動できるザクなんてありはしませんよ!通常ザクの3倍の速度で接近しています!」 のような台詞とあのカラーリングでシャアザクを印象付けるうまさ。

 

・ジムを見た時、「ガンダムだ!」と言わせたのはスタッフ側の情報操作では?

テレビを見ている子供でも、ジムを一目見たときにこれがガンダムとは別物であることは一目瞭然である。にもかかわらず、テレビ内の子供に量産型のジムをガンダムと呼ばせることで ガンダムという試作機を元にジムが作られたという概念を視聴者側に植えつけさせるテクニックなのかも?

 

・劇場版は大人向け、テレビシリーズは子供向け?

一番の変更点はガンダムに備える操縦系をサポートするコンピュータに関する話が劇場版ではほとんど語られていないことだろう。つまりパイロットとMSという関係性以外の話を入れないことで、スーパーロボットっぽさを排除し、より戦場での兵器とパイロットという関係性を強調しているように感じる。また、サイドストーリーを極力排除しつつ、戦争ドラマを見せるエピソードについては、きっちり取り込んでいる辺りも劇場版を大人向けにターゲットしたと思える理由の1つだ。